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---今回の「ジオメトリック」というテーマ、いかがでしたか?
すごく新鮮でした。軽いヘアが主流の中、まず「どこに重さをおこうか」というところから考えていったのですが、改めていろんなバランスがあるな、と勉強になりました。
---撮影中、どのアングルでヘアを見せようか悩んでいらっしゃった吉木さんの姿が印象的です。
すみません(笑)。でも頭は丸いですから、その骨格を意識してバランスをとり、360度どこから見ても形を感じるデザインにしようと心掛けた結果、あんな風に迷ってしまいました。写真をモノクロにしたのも、その立体的構造を光と影の効果で見せたかったからなんです。
---具体的にはどのようにデザインされたのですか?
まずアウトラインをしっかりと設定し、重さのある面の部分を違和感ないようにつくったあと、必要な部分に必要なだけの軽さをプラスしています。軽さは、感覚的にも手入れが楽になるという意味でも、お客様に受け入れていただくための大切な要素。また僕にとっても、優しさを表現するためになくてはならないものなんです。もっと具体的には、毛流もポイントです。例えば74頁(写真1番目)は毛流がいちばん美しく見える位置でバングのラインを設定していますが、77頁(写真4番目)は疑似つむじを前方につくってわざと毛流を逆らわせ、後頭部のボリュームを強調しています。75頁(写真2番目)の彼女はよく見ると左の頬が少しふっくらしていたので、左にはポイントになる毛を残し、逆に右はすっきりと刈り上げています。そんな2面性のあるデザインも面白いと思うんです。どの作品にも、優しさや柔らかさがほしかったので、フォルム、ラインともに丸さを持たせています。
---優しさ、柔らかさ。これは吉木さんにとって何なのでしょうか?
「無垢」の表現というのでしょうか。僕のデザインの根底にはいつもそれがあるんです。たとえば赤ちゃんの柔らかくて繊細な産毛、すべてが愛らしく見える、むき出しになった顔。ヘアデザインにおいてもそんなものを大切にしたいと思っていて。でも大人になるにつれて、髪は硬くなり、放っておけば伸びて顔も隠れていきますよね? その中で、いかに柔らかい髪質を表現しながら極力顔を出して個性を素敵に見せるか、僕はそんなことを考えてデザインしていくんです。そして今回の作品も同じ。そう考えると、ジオメトリックは僕にとって「目的」ではなく、その人を生かすための「手段」だと思うんです。街にも、そんなデザインをまとって個性を堂々と生かす人が増えたら嬉しいな、と思います。
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